2002年度 新歓例会用レジュメ    4/

三国志概説〜三国鼎立まで〜

           三国志研究会幹事長 大豪院邪鬼

序文

 皆さんの中には、三国志マニアの方もいれば、これから三国志を知ろうという方もいることでしょう。今回のレジュメの課題は、そんなマニアの方も初心者の方も、どちらも楽しめる内容にしなければならないというものです。そのため今回のレジュメは、あえて三国時代成立までのストーリーを追うという形式にしました。
 もちろん、ただ物語を語るだけではありません。我が三国志研究会での研究成果を盛り込みながら、「三国鼎立までのストーリーの存在意義」についての結論へと導いていきます。
 中国史第二の始まりとも言える三国時代。その物語である「三国志演義」を、これから50分間、じっくりと味わってください。

三国志演義の流れ

・太平道による黄巾の乱勃発
    →曹操、孫堅、劉備の登場
・霊帝の死による後継者争い
    →董卓出現し、劉協(献帝)を擁立する
・董卓の専横
    →董卓討伐軍結成:劉備、関羽、張飛の活躍
・董卓謀殺、そして群雄割拠
    →「董卓の乱」中に孫堅死亡し、勢力は瓦解
・曹操、太平道の残党である青州兵を加える
    →曹操、勢力拡大に乗り出す
・一方で、孫堅の息子、孫策もまた南方の長江一帯を平定していく
    →呉の国の基盤が完成
・各地の群雄が曹操に倒されていく
    →大勢力を率いる袁紹が曹操討伐の軍を起こす
・曹操対袁紹
    →孫策は曹操の隙を狙うも、刺客に襲われ死亡。弟孫権が後を次ぐ
・最終的に袁紹は敗北
    →その食客だった劉備もまた敗走
・曹操、袁紹の残党を滅ぼし、大陸北方をほぼ制覇
    →いよいよ南へと兵を繰り出す
・劉表の食客となっていた劉備、諸葛亮を得る
    →曹操軍の南下に対抗する
・劉表死亡、そして劉表陣営曹操に降伏
    →劉備、曹操の追撃を受けながらも、孫権領に逃走
・劉備+孫権vs曹操の大海戦
    →十倍近い曹操軍を、火計で破る:赤壁の戦い
・劉備、荊州南部を平定
    →荊州を巡る孫権との確執が始まる
・劉備、西南の地の益州へと進攻
    →劉備陣営、益州を得てついに大勢力になる
・曹操、益州を得るために漢中の五斗米道討伐
    →さらに翌年、曹操は魏王となる
・劉備と曹操、漢中の地を巡って大決戦を行う
    →劉備陣営の勝利。劉備、漢中王となる

三国志演義における、三国鼎立までの物語の存在意義

・物語に深み
・スムーズな導入
・読者が感じる爽快感

三国時代とは何か?

 中国史の一大転換点
・江南平定による、長江以南の発達・貴族文化成立
・戦闘形式の移り変わり:個人の武勇から団体の力へ
・天命思想の崩壊、道教の原型成立による、宗教観の変容

感想

 危うく、三国志のストーリーをまんまタイピングするところだった……

参考文献

 三国志演義(岩波文庫)
 過去レジュメ集(三国志研究会)
 三国志演義大事典(潮出出版社)
 三国志解体新書(コーエー)
 三国志全人名事典(徳間書店)